社団法人 日本生化学会 東北支部

活動の記録

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日本生化学会東北支部
  支部長  清水 律子
(東北大学 医学系研究科 分子血液学分野・教授)
任期:2021年10月1日−2023年9月30日

日本生化学会東北支部第88回例会・シンポジウム(website
   日時:2022年5月27日(金)〜 28日(土)
   鶴岡市先端研究産業支援センター(鶴岡メタボロームキャンパス)レクチャーホール
   世話人 :曽我 朋義(慶應義塾大学 先端生命科学研究所)

プログラム (PDFファイル

特別講演1

2022年5月27日(金)17:20-17:55
「拡大し変容するタンパク質の世界」
この数年間での発見や技術革新により、従来のタンパク質像が揺らいでいます。例えば、非典型的な翻訳が普遍的に起こるため、タンパク質の種類は急激に増加していますし、細胞内でのタンパク質の機能発現様式も多様であることがわかってきました。つまり、タンパク質の世界において従来見えていなかった多くの新たな面が見えはじめていると言えます。本講演では、学術変革領域研究(A)「マルチファセット・プロテインズ」のコンセプトを紹介した上で、その領域で私たちが進めている研究についても紹介します。

東京工業大学科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センター
田口 英樹 教授
1989年東京工業大学工学部卒、1993年同大学院総合理工学研究科博士課程修了。 東京工業大学資源化学研究所助手、東京大学新領域創成科学研究科准教授を経て、2010年から東京工業大学大学院生命理工学研究科教授。2016年から現職。 専門分野は生化学、蛋白質科学。特に、細胞内での蛋白質の構造形成や恒常性をケアする「利他」分子である 「分子シャペロン」の研究を30年以上進めている。他にもプリオンや蛋白質が誕生する過程(翻訳)の研究を手がける。また、新たな蛋白質科学の創出を目指した関連分野コミュニティーの立ち上げや発展にも注力し、科研費の新学術領域研究「新生鎖の生物学」(2014-2018年度)、学術変革領域研究(A)「マルチファセット・プロテインズ」(2020-2024年度)で領域代表。

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特別講演2

2022年5月27日(金)17:55-18:30
「正常上皮細胞と変異細胞間に生じる細胞競合」
上皮細胞層に、がん原性変異や代謝異常を持つ異常な細胞が生じた時、正常細胞が隣接する異常な細胞の存在を認識し、積極的に細胞層から排除することが分かってきた。このように正常細胞と変異細胞が互いに生存を争う現象は細胞競合と呼ばれている。 本講演では、哺乳類における細胞競合現象について最新の知見を紹介し、細胞競合がどのように上皮組織の恒常性維持やがん化に関わっているかを論説する。

京都大学医学研究科
藤田 恭之 教授
1990年京大医学部卒、3年間の臨床研修、半年間のアフリカ放浪を経て、1997年同大学院医学系研究科修了。
Max-Delbruck Center (ベルリン)にて6年間ポスドク、MRC, LMCB, University College Londonにてグループリーダー、2010〜2020年北海道大学遺伝子病制御研究所、2020年1月より現職。専門領域は細胞競合。がんの超初期段階の病変を早期に診断し予防的に治療することを目指している。
趣味はバドミントン・ジョギング、座右の銘は「世に生を得るは事を為すにあり」。

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スイーツセミナー

2022年5月27日(金)14:25-15:00
「構造タンパク質“Brewed Protein™"による新素材開発とその社会実装」
クモの糸から発想を得て研究開発をスタートしたSpiberは、製品ごとの特徴に合わせた人工タンパク質「Brewed Protein™️」素材を微生物による発酵(ブリューイング)プロセスにより生産しています。バイオマス由来の新素材で、アパレルや自動車分野等に貢献したいと考えています。
起業の理念やこれまでの取り組み、今後の展開についてご紹介します。

Spiber株式会社 
坂田 一樹 執行役員
2008年 京都大学農学部卒、2013年 同大学院理学研究科化学専攻博士課程修了、 2017年 Spiber 株式会社に入社、2018年 同社 Material 部門長、2022年 同社執行役員(現任)専門は有機合成化学。

 

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